About WorldShift

2009年9月9日、アーヴィン・ラズロ博士の呼びかけにより、ロンドンにて「ワールドシフト会議」がおこなわれ、「世界的緊急事態における、ワールドシフト2012宣言」が、世界にむけて発信されました。そして、この宣言がワールドシフトのスタートとなりました。

WorldShift Network Japanの目的

ワールドシフト・ネットワーク・ジャパン(WorldShift Network Japan)は、持続可能で平和な世界へのシフト(=WorldShift)を宣言・行動する人々が共感でつながる、アイデアとアクションの共有・創発・ 発信のためのプラットフォームを目指しています。

 

企業も、自治体も、NPOも、個人も、誰もが、それぞれの目の前にある課題には取り組んでいます。 しかし、現在の持続不可能で危機的な世界において私たちが直面している困難な課題は、もっと横断し、互いにつながり協力しあって取り組まなければ解決できないことばかりです。

 

ワールドシフトの主体は、経済・環境・平和・政治・文化・ライフスタイルなどあらゆる領域で、自身に関連するテーマでのワールドシフトを自らの責任で考 え、宣言・行動していく、一人ひとりです。そして、そのような一人ひとりが共感でつながり、協調していくことで大きな潮流となり、文明の発展の方向性その ものを変える力になるものと思います。

 

一般社団法人ワールドシフト・ネットワーク・ジャパンは、日本におけるワールドシフトの潮流の起点として2010年4月に設立、現在、年次の WorldShift Forumの開催等をおこなうとともに、自律的に自身のワールドシフトを宣言・行動されている団体や個人との緩やかなネットワーク作りを進めています。

組織概要

一般社団法人 ワールドシフト・ネットワーク・ジャパン

 

2010年4月

 

【代表理事】

    谷崎テトラ

【理事】

    野中ともよ

    柴田光廣

【監事】

    高梨瑞穂

 

【戦略ボード】

    並河進 (電通ソーシャル・デザイン・エンジン)

    佐藤正弘 (地球サミット2012 Japan代表、京都大学経済研究所准教授)

    中村祐介 (株式会社エヌプラス代表取締役)

    西村豊 ((社)都市生活者の農力向上委員会代表理事

      (株)フォーナイン・ストラテジーズ 代表)

    河内あきお (アースデイ東京理事)

    上田壮一 (Think the Earthプロジェクト・プロデューサー)

    佐野淳也 (しあわせ社会デザイン研究所)

 

【事務局】

    下村雅彦 (民間シンクタンク勤務)

    西岡舞子 (民間広告会社勤務)

    船見千穂 (龍村仁事務所)

    Rocomoon (アーティスト)

名称

 

設立年月

 

理事

 

 

 

 

 

 

 

ボランティア

スタッフ

 

 

 

 

 

 

 

  • 世界的緊急事態における、ワールドシフト2012宣言

    平和で持続可能な社会を実現するために自分自身を変える必要がある

     

    緊急事態にある世界

    私たちの世界は今、「緊急事態」にあります。そしてこの世界的な危機は、より深刻な問題につながる兆候でもあります。

    気候変動、経済破綻、エコシステムの崩壊、人口過密、水と食料の不足、資源の枯渇、原子力などの脅威。遅かれ早かれ、そうした危機はすべての人類に例外無く影響を及ぼします。このまま持続不可能な道を突き進めば、今世紀の中頃までに地球の大部分は、人間をはじめ多くの生物が生息できない場所へと変わり果て ることでしょう。しかしながらエコロジカルな惨事、もしくは宗教や地政、資源をめぐる衝突が引き起こす戦争の悪化などによって、総合的な体制崩壊はもっと 早く訪れるかもしれません。

    こうした脅威は現実のものです。この世界的危機の原因となるものは、ここ数十年、ますます勢いづいて、近いうちに取り返しがつかなくなります。そのタイムリミットは今世紀末と見られていましたが、今世紀の中頃、20年以内、10年、5年とどんどん早まっています。

    今、わたしたちは、わたしたち自身と、世界についてどう考えるのか、ということが問われています。

    これまでとは違う考え方が早急に求められる今は、同時に、新しい価値観や優先権を再考するチャンスでもあります。 人々と自然が調和の中で共存するために、私たちが相互連携していることを理解し、新しい方向へとシフトするチャンスなのです。

     

    危機をチャンスに変える

    平和で持続可能な社会を実現するために、現在の危機から脱出するためのチャンスの扉は、後ほんの数年で閉まってしまうかもしれません。この時系は、 地球上 の終末論を説く多くの予測や予言と偶然にも一致しています。2012年末。その終末は新たな意識の夜明けでもあるのです。

    今日、進歩的な考えを持つ団体や個人が世界中で、危機的状況をどうチャンスとして活かすかについて発言しています。 持続可能なシステム、構造、テクノロジーは発達し、あらゆる地域・分野にて実行に移されています。こうした世界的な「目覚め」は、人類が洞察力と創造力を もって危機に立ち向かう力を持っていることを表しています。いかに人間の精神が活力に溢れているかを証明する希望のサインです。

     

    ヴィジョンとコミットメントが必要

    早急に必要とされている変化の範囲や規模には、私たちのこれまでの努力ではまだ不十分です。しかし私たちがヴィジョンや展望、やる気 (commitment=義務、責任)をもって協力すれば、平和かつ持続可能な世界を造ることができるのです。そうすることで、私たちの存続と幸福を後世 にまで確保できます。地球市民としてまずやるべきことは、意識をより広げ「惑星意識」にまで発展させることです。そして猶予の窓がまだ開かれているうち に、人類のために、新しい世界としっかりとした未来を共に築いてゆかねばなりません。

    緊急呼び掛け

    したがって私たちはすべての人々へ、この世界的危機における危険性、及びチャンスの両方について認識を深めていただくことを呼びかけます。人類一人 ひとり の存続と幸せ、そして地球上のすべての命のために、我々は共に協力しあい、ポジティヴなワールドシフトを実現するためにコミットすることを宣言します。

     

    リーダーたちの目標(1) 主要ビジネス界が掲げるべき目標

    ビジネスの本分はチャリティ(慈善事業)ではない。それは社会の務めである。慈善財団が行うチャリティは歓迎すべき付加物であるが、財団が使う金銭でもうけた企業が自分たちの短期的な利益に身をささげ続けるのならば、これでは企業として十分とは言えない。

    産業の主要分野における市場のリーダーたちは、責任あるビジネスの実践と持続可能性を育成する戦略を全世界レベルで実行できるコンソーシアム(共同 事業 体)をつくる必要がある。そのコンソーシアムならば、明確で妥協のないミッションステートメントや、説得力ある倫理および行動規範に基づいた経営ができ る。コンソーシアムのメンバーは、環境において物理学的、エコロジー的、社会的な持続可能性に貢献するような戦略に向けて諸ビジネスが確実に移行できるこ とを唯一の目的に競争を行う。そして力を合わせることによって、便宜主義的で非倫理的な競争相手による挑戦を克服できる力を持つのである。

    社会に利益をもたらす目標に向けて市場のリーダーたちが固く約束すべきは、ビジネスの展開方法を全世界で変容させることである。企業は、彼らの存在 理由 (レゾンデートル)としての狭量な考えによる利益と成長を、人類のコミュニティ(共同体)の利益に献身するものに取って代えるだろう。もはや、ことの核心 は”企業に最大限の利益を最短期かつ最小限のリスクでもたらすべく”努力することではなく、”企業の生存能力を維持する一方で最大数の人々にとっての最大 の利益を生み出す”ことである。この変化によって、社会環境と自然環境の持続可能性と、人類の幸福をもたらすものに献身する社会的行為者の仲間に民間部門 の血が入ることになる。

     

    リーダーたちの目標(2) 政治が掲げるべき目標

    見識と公共心のある政治リーダーたちは、とりわけ以下の目標を受け入れ、これを採用している。

    • コミュニティ(共同体)内の生活や幸福に影響を及ぼす決定を行う際にはコミュニティのあらゆる部門の人が意見を言えるよう確保すること。

    • 貧困の軽減と社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)、ジェンダーの平等の実現のために立案されたプロジェクトやプログラムを実施すること。

    • コミュニティ(共同体)のあらゆる社会経済レベルでの持続可能性と公平性の実現を目的とした計画・プログラムを支援すること。

    • 新エネルギーの利用や資源節約あるいはリサイクル技術、毒物や廃棄物の低排出・ゼロ排出のために、また、あらゆる活動における持続可能性の基準を組み入れた業務を促進するビジネスコミュニティとの協働に経済的インセンティブを提供すること。

    • エネルギー、水、土地をはじめとする自然に関する共有利益を許容しうるコストで利用できる、人々の平等性に関心を払うこと。

    • 電力発電、輸送、コミュニケーションなど公共サービスにおいて安全で有効なエネルギー技術や資源技術を利用すること。

    • 公共医療において最新の現代治療法や技術を融合させること。

    • 都市デザインや建築では厳格な基準を採用し、公共住宅供給や、民間住宅および商業ビル、工場プラントの建設認可の前提条件の一部として再生可能エネルギー技術や有効な断熱防音措置を求めること。

    • 放棄された地域または恵まれない地域の再建や回復に対しては、不必要な都市の拡大に寄与することなく資金を投入すること。

    • 武器や戦争、軍事予算に現在費やしている1兆2000億ドルの大部分、大富豪や大銀行、大企業によって貯蓄されているお金の大部分を、社会の持続可能性や人間の幸福を目的とした、地域や国の、そして国際共同のプロジェクトの資金へと移すこと。

     

    草の根レベルの目標:(1)新しい思考のための目標

    今もって社会の主流を支配している思考は、現実とはもはや調和しない前提や信念でできた時代遅れで廃れたものである。以下は特に社会に関する信念であるが、すでに取って代わられていなければならないものばかりである。

    • 地球は無尽蔵である。

    • 自然は巨大な機械である。

    • この世はその最も環境に適したものが生き残る生存競争である。

    • 市場が経済格差や不公正を修正する。

    • われわれが消費するほど、われわれは良くなる。

    • 経済的目的が軍事的手段を正当化する。

    • 秩序はヒエラルキーを必要とする。

    • 効率性こそ重要である。

    • お金持ちになることと幸福になることは直接的に関連している。

    • 自分の国は、正しいか、誤っているかのいずれかである。

    • 未来のことなど自分の知ったことではない。

     

    草の根レベルの目標:(2)新しい倫理のための目標

    多くの人々が、生きる、そして生かされる、という古典的なリベラリズムにしたがっている。法を犯さない限りは誰もが好きなことをできる。これでは決 して十 分ではない。決して正当化はできないが、ときに法にしたがいながら、富める者や権力のある者は、みなで共有すべき資源のうち不釣り合いなほどの大部分を消 費し、自発的に、そして不注意に、貧しい者や権力のない者が必要な資源を利用するのを阻んでいる。その一方で、貧しい者の側にも変化は求められている。貧 しい者たちは富める者のライフスタイルを熱心にまねること、あるいはまねようと頑張ることを止めなければならない。

    われわれは、地球規模で相互作用し、相互依存するコミュニティ(共同体)に生きている。われわれの倫理は地球の倫理でなければならない。これは一方 的に均一で均質な倫理であるという意味ではなく、偉大な文化的伝統に基づく共通の人道的な諸要素を合わせた倫理である。誰もが生き、そして繁栄できる持続 可能な世界を実現するための行動規範の省くことのできない最低限のものを表したものである。その基本原理は、われわれが自分の行動や、自ら熱望する行動の すべてに不可欠な、自ら課した道徳として採用されねばならないのである。

     

    草の根レベルの目標:(3)個人の領域でとるべき行動

    われわれの私生活のある一面にはすでに公共の務めとなっているものもある。今日において果たすべき責任には以下のようなものが挙げられる。

    • 他人がその要望を満たすための機会を損なうことなく、自分の要望を満たすような方法で生活すること。

    • 人々がどこで生活しようと、どのような民族であろうと、どのような性であろうと、どのような市民権を得ていようと、またどのような社会システムを信じていようと、彼らの生活と彼らが発展する権利を尊重しながら生活すること。

    • 地球に生き、そして成長するすべてのものの一生と健全な環境を守る権利を保護しながら生活すること。

    • 同じコミュニティ(共同体)、国、そして同じ文化を持つ人々、さらにはあらゆる個人や国、文化からなる世界のコミュニティの人々も同様に幸福、自由、個人の充足感を追求していることを考慮しながら、自身の幸福、自由、個人の充足感を追求すること。

    • われわれのコミュニティ(共同体)にとって有用で利益をもたらすとともに、他の人々、他のコミュニティ(共同体)、自然環境を損なわない活動に時間を捧げ、才能を発揮できる仕事や職業を選択すること。

    • 子供や若者が自身の思考や行動に関して責任ある方法をとるべく、彼らを助けられるよう最善を尽くすこと。

    • われわれの生活や幸福に欠かせない資源を生産、再生できるような一体性ある環境を、保護、回復することに賛同する人々やグループと協力すること。

     

    草の根レベルの目標:(4)市民としての領域でとるべき行動

    正常に機能している民主主義においては、人々はその利益や、彼らの国の国益や全人類の利益を誠実に代弁してくれる政治的リーダーを推薦し、選出する ことが できる。われわれが選んだ代表者は、変化が必要な場合には、その目的と方策を伝えるべく政府と話し合うことができる。われわれの代表はとりわけ以下のこと を政府に要請することができる。

    • 意志決定における平等性に関心を向けること。

    • 責任あるコミュニティ(共同体)のプロジェクトを支援すること。

    • 自然資源や金融資源の配分における持続可能性に関する基準を守ること。

    • 代替エネルギー利用と関連する資源節約、リサイクル技術を推奨、促進するため、企業と緊密に連携すること。

    • すべての人々が許容しうるコストでエネルギーや水、土地を確実に利用できるようにすること。

    • 公共輸送システムの改善を質・量ともに進めること。

    • 代替医療法やその実践に対して公共医療システムを開放すること。

    • 生態系のバランスや自然環境保全地域を保護するとともに、人間と自然のふれあいを進めること。

    • 放棄された地域の再生に資金を投入し、インセンティブを提供すること。

    • 新たな建築物の認可の際には持続可能性、エネルギー効率、資源効率に関する厳格な基準を採用すること。

    • その国のあらゆる文化や下位文化(サブカルチャー)に基づいて変化するライフスタイル、消費パターン、価値、期待を考慮すること。

    • 公正の精神において他の国や政府との関係を大切にし、永続的な互いの利益のための協調を進めること。

     

    草の根レベルの目標:(5)ビジネスの領域でとるべき行動

    個人は自ら選択できるショッピングや消費を通じてビジネス企業の責任ある行為を刺激することができる。つまり、公共の利益に献身する企業をひいきに する一 方で、自身の利益や成長にだけ関わり続けるような企業を無視し、積極的にボイコットすることができる。企業の株式を購入できる人ならば、”社会的投資”を 実践することもできるのである。株主組合(shareholder association)に参加して、株主総会では社会および自然環境における企業の責任問題について提起すれば、わずかな株式しか持っていない株主でも 企業経営の実践に影響を及ぼすことができる。

    株主として、あるいはクライアント、顧客として、あるいは単に企業が立地する地域コミュニティの関係者として、すべての人々はビジネス企業に以下のようなことを要求することができる。

    • 企業が、その製品、サービスに関する長期的な利益、コストについて正確に、誠実に公表すること。その安全性、永続性、社会的影響、環境に与える毒性、再利用可能性、リサイクルの可能性について報告させること。

    • 環境汚染や環境に与える損害を軽減し、企業の生産過程、その製品の供給と流通の流れにおける排出物を最小限に抑えるべく積極的に努めること。

    • 事業の目標や目的を明確にする際には、企業の従業員の意見を聞くこと。

    • パートナーや連携先として倫理感ある企業を優先すること。また、従業員、顧客、企業が立地する地域コミュニティに対して不当にふるまう企業、環境を破壊する企業を拒むこと。

    • 従業員の生活に積極的に関心を寄せ、従業員の懸念を見出し、彼らの要求を理解し、彼らの個人としての発展に寄与すること。

    • 企業が立地する地域コミュニティにおいても、同様に従業員の生活に積極的に関心を寄せ、その従業員がソーシャルワークや地元の環境改善に携わるのを奨励すること。

     

  • Worldshift20宣言

    基本的な前提(Basic Premises)

    先進国のリーダーたちは、ブレイクダウンに向かっている世界に対して努力はしているが、それは現状からみると満足とはとても言い難い努力です。ブレ イクダ ウンは望まれるものではもちろんありませんし、当然無視することもできないものです。経済、政治、社会組織のシステムと人類と自然とのエコロジーな関係は いますぐに再構築しなければならず、そのときに重要になるのが持続可能で平和な世界をめざす「意識」「価値」「原則」なのです。そのような大規模な転換を 開始するために残されている時間は、ここ数年という限られたものと思われます。

    しかしながら国際社会は、大きな会議において自分たちの組織の利害や権限にこだわるという「セクショナリズム」に囚われています。経済を主導する交渉者たちは、過去から引き継いだ議題を持ち出しているのです。

    このような姿はG20のソウルサミットで明らかになりました。この時の宣言には世界でもっとも力のある20カ国による緊急レポートが発表されました。国際社会における福祉や福利についての協議よりも、経済が取り上げられていました。

    貿易や為替レート対策の不平等、財政危機の脅威。これらの問題が注目を集めるようになった結果、気候の変化や地球規模での生態、地球人口の半分が抱 えてい る貧困問題への注目が少なくなりました。さらには、世界でも有力な政府・企業が占めている富や消費性向についてはいかなる注意も払われませんでした。

    G20は経済成長によって問題を解決できると思っているようです。ですが、これは福利と、世界に多くある貧しい人々の生存を危機にさらし、さらに、 地球の 気候を変化させ生態系を破壊しています。これでは持続不可能な経済体制を加速させるだけです。迫りくる気候、エコロジー、エネルギーそして核の脅威。これ らの問題は経済措置という対応だけではとても解決できません。そもそも分離して考えることが可能な問題ではないのです。

    私たちの子どもや孫の世代が平和に、また命を支えてくれる生態系とともに暮らせるように。そのために社会全体の構造改革が必要です。私たちは生態学 的、そ してエネルギー的に持続可能であるように社会を組みなおす必要があります。また、地球温暖化、核兵器という二つの大きな人類の存続に対する脅威について真 剣に取り組まなければなりません。

    このままでは、地球温暖化によって引き起こされる気候変動は人類の力では維持できない深刻な状況を引き起こします。ここから生まれる問題は容赦な く、この 先100年で大災害、蔓延する伝染病、人同士の争い、いまだかつて人類が行わなかったレベルでの人口移動(気候変動から逃れるために何百万、何十億の人々 が大陸移動を行うことになるでしょう)などが起こるでしょう。その結果として戦争が引き起こされ、人類の80%以上が滅びると予想されます。イギリスの科 学者であり環境学者であるジェームズ・ラブロックのレポートは人々の目を覚まさせ、緊急の行動を促すものなのです。

    環境問題と同じく、核兵器の廃絶も今となっては願望ですまされるような問題ではありません。人類の存続に関わる問題なのです。核兵器の問題がある限 り、平 和な世界の実現は不可能だと言えます。あらゆる状況下での核兵器の製造と使用が禁止される核兵器禁止条約の成立は緊急の問題です。全生命を滅ぼすような大 量な核保有に対する恐怖。この恐怖に人類が気づけば、民主主義において禁止条約を成立させることは十分可能です。そして、気づきはすでに始まっているので す。5大核保有国を含む21カ国において、世論調査によると国民の76%が全ての核兵器を禁じる条約の交渉を支持する、という結果が出ています。

    とはいえ、抵抗勢力は以前強く存在します。核兵器は力であり、政府は力の源泉としての核を手放したくはないのでしょう。軍や関連した産業は市民に恐 怖を押 し付け、核保有の正当性を主張しています。主要メディアはこの問題について見て見ぬふりをしています。これでは、常に身に付きまとう核の脅威、ダモクレス の剣のようなこの脅威を打ち消すことは難しいのです。

     

    オルタナティブな哲学(An Alternative Philosphy)ーーー

     

    意識的なリーダーシップ(A Conscious Leadership)

    この地球の文明が存続するために、もはや無駄にできる時間は残されていません。聡明で賢明な指導者を選択することは人類の責任なのです。また、適切なグローバル原則の尊重により、社会構造の生存性を未来へと保ち、前進させていくことは指導者の責任です。

    今日、社会のあらゆる階層において、決定権を持つ人々にリーダーシップの自覚が求められています。国家の政治リーダーたちは反対勢力をも協働に導く 力が必 要です。すでに起こっている変化へ舵取りするために、人類の内的な可能性を外的な課題に向かわせなければいけません。つまり、心理学的、生物学的、社会 的、文化的、そして環境的な要因を考慮に入れた総合的な解決に向けての能力を育てることが必要なのです。問題に協同で取り組むことを可能にするための、文 化的で、行動的、社会的、情緒的な知性を含む新しい能力が必要です。

    人類は新しい方向に向けて協同で取り組むための努力ができます。地球規模での企業システムはブレイクスルーを創りだすことができます。ガバナンスに 対する 新しいアプローチはあらゆる社会から、多数の参加者を巻き込むことができます。ビジネスというものは人がいてはじめて意味を持ち、世界の文化を繁栄への新 しい段階へと進めることができるのです。意識的なリーダーシップを通じて、個人と世界のニーズを密接につなげることが可能になります。

    「この病める世界において、豊かでいるためには何が必要なのだろうか?」先進国のリーダーたちはこの重要な質問に答えられるのでしょうか。G20の リー ダーたちは枯渇したこの地球を消費し、自分たちの富を増やすことを優先するのではなく、続く次の世代へ住みよい地球を残すことに焦点を当てるべきなので す。経済は、あらゆるレベルにおいて平和で公平で持続可能で健全である必要があります。世界中が精神的に健全であることで、人類は団結しバランスの取れた 生態系を取り戻すことができ、世界規模の問題を根絶し、そして軍事的侵略を抑止できるのです。

    グローバルな思考だけが、問題を終わらせることができますが、延々と続く国家主義と部族主義がその考え方に歯止めをかけています。ですが、たとえ私 たちが 一つの種族でないとしても、同じ地球に住んでいるということは変わりがありません。この地球が死んでしまうのは時間の問題です。この事実に気がついたと き、それは世界の回復のためのチャンスでもあるのです。たとえば、人類は徹底的に枯渇した世界で生き延びることはできるかもしれません。ただし、そのよう な世界では「人として」生きることはできないのです。

     

    新しい意識(A New Consciousness)

    人類は「どこへ進むべきか」を知るために、今まで知っていたすべてのことを一度捨てる必要があります。アインシュタインが「ある問題を引き起こした のと同 じマインドセットのままで、その問題を解決することはできない」と言っていましたが、新しい意識のみが問題解決を可能にするのです。つまり、人間性のすべ てにおいて新しい意識の誕生が必要なのです。

    人類に影響する多くの脅威はすでに現実化しています。それだけでなく、さらなる脅威も訪れようとしています。すべての脅威は共通の問題を持っていま す。そ れはすなわち「惑星意識」の欠如です。人類は自分たちと生態系の両方をまとめて見るという視点を欠いています。民主主義の中では、多数派がルールを決め、 決定します。惑星意識を持った人はまだまだ少数派なのです。

    人類は連帯感に基づいて、変化に向かい適応するための協力が必要だと認識しなければいけません。それが持続可能で平和な世界への基本的な前提条件です。

    経済や金融の領域だけでもなく、環境、技術、教育、情報公開、文化の交流などすべてにおいて協調の重要性について気づくこと、そして活気づける意識 が必要 です。地球上すべての人々との相互関係、一体性、運命についての共通認識について明確に意味をとらえていかなくてはならないのです。

    G20の指導者たちは、狭い意識レベルでのコミュニケーションの故に、古くから続く問題を終わらせることができずにいます。環境に対する感謝の欠 如、動物 や惑星の生活、自然世界を搾取するような扱い。そして人間、文化、国家間での差別。この3つの差別は指導者たちの考え方だけから生まれているのではなく、 何十億もの人類ひとりひとりの意識からも生じているのです。リーダーシップの役割があろうとなかろうと、意識を高め、それによって人間社会の未来と地球を 守るという責任を取ろうとする地球市民の努力をサポートしなければなりません。

     

    パブリックセクターのリ・オリエーテーション(Re-Orientation in the Public Sector)

    『成長の限界』は1972年の発表以来、世界中で多くの出来事や動きに警鐘を鳴らしました。ですが、それでも地球への状況は良い方向には変わってい かな かったのです。国連やG20のような権威のある多くの組織が変化を生みだし、NGOや市民グループがそれを実行していきました。ただ、これらのアクション はいまだ効果的ではありませんでした。

    惑星意識を広げ、共有するためにも具体的なアクションプランが、宇宙船地球号の乗客である人類には今すぐに必要なのです。 民族国家が自分たちの経済の「回復」「安定の継続」「バランスの取れた成長」を求めるという時代遅れの考え方を捨てなければいけません。持続不可能なシス テムを活性化しようとするのではなく、現在のシステムの徹底的な転換が必要なのです。

    政府やNGO、ブレイクスルー、つながりを伝播する市民社会。この間にある協力関係に基づく新しい社会のシステムが必要です。それは創造的で、全体 的な変 化を起こすことのできる社会的相乗効果と協力を高めるという新しい機能を持ちます。現在では、インターネットを使うことで、入念に調査することができ、世界や各国そして地域社会ごとに起こっている出来事のつながりを広めることができます。

    2009年12月コペンハーゲン会議は、政府組織が国家や共同体の利益を超越し危機的な地球問題を客観的に扱うことは不可能であることが示されると いう大 失敗に終わりました。世界的な危機は人間精神の包括的システムの危機である、ということが理解されていなかったことがこの悲劇を引き起こしました。人間の 精神性を無視し、経済のためにあらゆるものを犠牲にし続けるのならば、世界はブレイクダウンへと向かって負のスパイラルに陥ってしまいます。

    G20はこの視点を変えることはないでしょう。人類は精神性が意思決定の問題において優先されるという時代にいます。世界のリーダーたちは、意思決 定のプ ロセスが経済や政治よりも精神性によってなされるという原則にコミットすべきです。そしてリーダーたちは、惑星がひとつのシステムであると認識し、世界の 利益についての意思決定は人類の未来を犠牲しないものにしなければならないのです。

    人生に対する深い意義、状況、周囲の環境に依存しない内的な喜び、他者への配慮や思いやり、そういったことへの発見に対して幅広いサポートを行うの はリー ダーにとっての原理原則です。調和と共同体を大切にし、お互いが自由に生きていくことのできる世界。欲望や恐怖ではなく、知恵や思いやりによる統治がなさ れる世界を共に創っていくことが必要なのです。

    政府は精神性についての概念全体が、グローバル社会という文脈の中で再定義される必要があるかどうか、を検討しなければなりません。精神性は人種、 宗教、 性別、国籍の壁を超えるグローバルコミュニティに最も適した概念です。人類はグローバリゼーションの挑戦と危機に対処できるようにするための確かな普遍的 概念を考え直す必要があります。これらの概念の多くは人間らしさの中にあります。こういった概念を現代の文脈に沿って再確認する必要があります。

     

    緊急に整備しなければいけない制度(Urgent Institutional Steps)

    各国は、このチャレンジに一丸となって動かなければいけません。すべてのエリアにおいて実行しなければいけないことは二つあります。ミレニアム開発 目標に 向けての事務局を設立すること、目標実現へ向けての進捗状況を確認しあえるシステムを確立するということです。資本は結果ではなく、ゴールへ向かっての手 段です。すべての権利は守らなければいけません。個人の権利、生態系が持つ権利をないがしろにしてはいけないのです。命はそれだけで、神聖なもので、大切 にしなければいけないのです。

    私たちは、富の尺度のすべてのレベルにおける人間の興味だけではない、環境と人々の幸福に照らした適切な尺度を確立しなければいけません。国家は、 普遍的 な考え、自然との調和に基づいた価値、州やグループで共有された関心、法律、そのすべてとバランスを取らなくてはいけません。

    今、世界中のあらゆる国でSocial Harmony Index を作る必要があると考えます。Social Harmony Indexは、環境について、兵器について、人権について、誠実さについて、自由について、民主主義について、情報の自由について、政府公務について、治 安について、豊かさと貧しさのギャップについて、都市と田舎について、教育の普及について、国家の自然環境状態について、創造力について、社会保障につい てなど、その他いろいろな全てのものを考慮し数値化されます。Social Harmony Index(SHI)を集めることで、世界中のあらゆる社会の評価、そしてその格付けを知ることができます。そして、すべての国のSHIをまとめること で、World Social Harmony Index(WSHI)を知ることができ、これは年々の変化のパターンを教えてくれます。これらのリストは、毎年、国連もしくはG-20によって評価、と りまとめられ再発行される必要があります。WSHI は世論として政府に影響を与え、各国の開発の基準になります。あらゆる国は今、SHIに注目し、GDPによる競争を弱めるべきなのです。 人々の利益は健康的な生態系、堅実な財政、そして盛んな地域社会によって保たれます。つまり、資本市場の枠組みをもう一度組み直し、再び信頼を得るという ことが一番の優先事項なのです。

     

    緊急に実行しなければいけない事項:

    • 財政の民主化と、改革についてのより深い討論(この討論はすべてのステークホルダーと専門家を含めて行う)

    • 世界の財政のコモンズとしての再構築

    • 社会的科学、生物科学の広範な領域におけるブレークスルーに啓発された経済理論の構築

    • 公正なアクセスと人間の成長機会において、分割できない非競争の公共財やインフラの配分のためにマーケットをデザインするという、コモンズアプローチ

    • 気候の安定と公正なツールの制作という私たちの共通のニーズに関する、多くのイノベーションに光を当てること

    • エネルギーへのソリューションは、再生可能な新しいエネルギーにはなく、エネルギー効率の研究にあるかもしれません。原子力の使用を避け、石炭など再生不可能なエネルギー、新しいエネルギー資源に頼らずに済みます

    • 金融システムが、繁栄し持続可能な人類の未来に貢献する世界ビジョンの構築

    • 金融市場の相互依存性が公正で安定し持続可能であるようにしなければいけません。この文脈において、必要なことは、より成熟した「目に見えない」資本主義の形にシフトすることです。ここでいうシフトとは以下の事項になります。

    • 機械的なコンセプトに基づいた「操作主義経済」から、生命システムに基づいた「複雑系経済」へのシフト

    • 目に見えるものにもとづく「知識経済」から、次の世代を見据え信頼と感情にもとづく「共感経済」へのシフト

    • 「貨幣経済」から主要な経済原則としての「ボランタリー経済」へのシフト

    • 「享受型経済」から市民の真の声を反映する「参加型経済」へのシフト

    • 「無限成長経済」の幻想から、「地球環境経済」の現実へのシフト

    これらのための全体システムアプローチは、人類の歴史の中で最も重要で時間がかかります。これから先の数年に行われる決定事項が、今後人類にとって 成長す るか否かの分かれ道です。138億年間にわたる人類の命がこの一世紀、ないしは二世紀で決まるのです。世界がいま必要としているのは社会にとって平和で情 熱的で効果的な働きかけです。そして、必要なのは平和で情熱的で有能な人々、つまり求める社会に適した人々です。リセットボタンはもう押されました。人類 はこれ以上今までと同じような贅沢を続けることはできません。今、地球のために動かなければなりません。かつてなかった社会的な大きな変化に取り組む情熱 が必要なのです。

    今までの脅威(人類による自然に対しての敵意も含めて)の時代は終わり、人間らしさとその文化を尊重する新しい時代が訪れようとしています。この変化を乗り越えるために、全人類の可能性とあらゆる叡智が力を合わせる必要があります。

    これは大変な変化です。世界を大きく変える曲がり角なのです。悲しいことに今、人類は文化から生まれた経済ではなく、経済学のおまけのような文化し かない という状況にいます。事実、人間が設計し、導入した経済とガバナンスシステムがどれだけ文化の創造を妨げているでしょうか。国家のリーダーが柔軟で協力的 ではなく、古い考えのまま門番のように残っています。

    「持続可能で平和な世界」という目標は、人類史上はじめて達成することができるものなのです。現在、多くの優秀な女性が意思決定の立場にいます。ま た、コ ミュニケーション技術の発達で遠いところにいる人たち同士がつながることが可能になっています。そうです、今なら人類は夢見た世界を現実にすることができるのです。

     

    Worldshift 20 Council Members

    • Jose Arguelles (USA/Mexico)

    • Deepak Chopra (USA/India)

    • James Garrison (USA)

    • Jonathan Granoff (USA)

    • Hazel Henderson (USA)

    • Jean Houston (USA)

    • Barbara Marx Hubbard (USA)

    • Min Jiayin (China)

    • Ervin Laszlo (Hungary/Italy)

    • Federico Mayor (Spain)

    • Edgar Mitchell (USA)

    • Tomoyo Nonaka (Japan)

    • Paul Ray (USA)

    • Douglas Roche (Canada)

    • Marco Roveda (Italy)

    • Peter Russell (UK/USA)

    • Masami Saionji (Japan)

    • Marilyn Schlitz (USA)

    • Karan Singh (India)

    • Hiroshi Tasaka (Japan)

    Worldshift 20 Council Administration

    • David Woolfson, Coordinator (Canada)

    • Carl Carpenter, Web Administrator (USA)

     

    翻訳協力 本WorldShift20宣言は、以下の方々のボランティア協力のもと、翻訳を頂きました。

    Team Social translation

    @tomonzo_jp @Maki_nov16 @acyfosino @town_b @self_agenda @dyankiya @emi227 @Pi_0123 and @yuu_key

     

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